本蔵院 律良日記

熊本県にあるお寺“真言宗 本蔵院 律良のブログ”日々感じるままに活動のご報告や独り言などを書いた日記を公開しています。

今週の言葉 5/18~5/24

  『 言いたいことは 明日言え 』


 同じような格言に 『 口は災いの元 』 ということがありますように

洋の東西を問わず、口に関する戒めの言葉はあるようです。


  『 口は一つしかないのに、耳は二つあるのはなぜか ? 』


 それは、口で話す倍だけ人の話を聞け、ということだ。

この言葉は古くから、ユダヤ民族に伝わる箴言のようです。

 仏さまもよく見ると耳が大きい …  それは、

人々の悩み、苦しみをたくさん聞きとめてこられた

歴史を現しているのでしょう。

 私たちがお参りするとき、いつも唱える 『 十善戒 』 は

十ある戒律の中で、四つは 「 口にかかわる 」 戒めです。


 「 不妄語 」 ( うそは言いません )

 「 不綺語 」 ( お世辞は言いません、

           普通にはいいように思うのですが、

           言い過ぎると、自分の心の底に残っている

           真実の心まで無くしてしまう、ということです。)

 「 不悪口 」 ( 悪口は言いません )

 「 不両舌 」 ( 二枚舌は言いません )
  ふりょうぜつ
          離間語とも言い、人と人の間を裂く言葉になります。


 とかく現代は、自分の考えを巧みに表現できる人が

存在感を表しますが、古の人たちはむしろ言葉巧みのほうを

戒められたようです。


 中国の孔子の 『 論語 』 のなかには

『 巧言令色鮮し仁 』 ( こうげんれいしょく すくなしじん )

   ( 言葉巧みで、表面を取り繕っているものには、

     思いやりの心は少ないものだ )

という言葉もあります。


 同じような表現では、 『 老子 』 の言葉の中にも


『 口数が多ければ、しばしば言葉の威力は使い果たされる。

  心の中にじっと保っておくに越したことはない。 』


 このことは、『 念じる力 』 とも同じようなものです。

念じていることを口に出してしまえば、その力はなくなってしまう。

とも言われています。


 また、お釈迦さまは

『 修行者たちの集いにおいて、なすべきことはただ二つ

  一つは法に関する談話。

  もう一つは聖なる沈黙である。』

といわれています。

 このことは、私の修行のときも厳しく言われました。

沈黙を守るということが、本当に辛かったのです。

人とすれ違っても、ただ黙って会釈するだけ、

大声でしゃべりたい、という衝動に駆られたものです。


 いったん口から出たということは、

それなりの働きを持ってくるのでしょう。

だから、

よくよく考えて、『 言いたいことは明日言え 』 ですネ。